新たな働き方として注目を集める「ワーケーション」を体験

快適な環境で仕事をする男性

※本記事は、インパクトM株式会社によるワーケーション体験に関する寄稿記事です。

ニューノーマル時代を迎え多くの企業が新たな働き方を模索する中、政府による後押しもありにわかに注目を集める「ワーケーション」。最近では、ホテルニューオータニ(東京)やプリンスホテルなど日本有数の宿泊施設、リゾート施設がワーケーションプランの提供を開始したり、全国各地でワーケーション体験イベントが開催されるなど、少しずつ裾野を広げている印象です。

さまざまなメディアやニュースで取り上げられ、そのメリットやデメリットについても言及される機会が増えつつありますが、一方で「実際のところどうなの?」という疑問も湧いてきます。だったら「体験してみるのが一番」ということで、今回は、いま注目の働き方「ワーケーション」を実際に体験し、そのメリット・デメリットや導入時の注意点などを考えてみたいと思います。

まずはワーケーションをおさらいしてみよう!

ワーケーションとは、仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた造語です。一般には、観光地やリゾート地などでテレワークを活用し、休暇を兼ねて仕事をする新たな働き方とされています。ワーケーション自体は以前からあった概念ですが、コロナ禍中に、新しい旅行や働き方のスタイルとして「ワーケーションなどの普及に取り組んでいく」という政府の言及もあり、にわかに注目を集めました。

その後、小泉環境相が福島県の磐梯朝日国立公園でワーケーションを体験する様子が報道されたり、日経クロストレンドの「トレンドマップ2020夏」でワーケーションの将来性について取り上げられるなど、さまざまな場所で「ワーケーション」というワードを耳にする機会が増えています。

百聞は一見にしかず。ワーケーションを体験してみよう!

今回は、施設のご協力もあり神奈川県逗子市にある「ON/OFFice ZUSHI」で1日無料ワーケーション体験させて頂きました。ここは、戸田建設が運営する屋内型ワーケーション施設で、逗子海岸まで徒歩10分の絶好のロケーション(ただし、本年は逗子海水浴場を開設していません)。施設内も、大型ディスプレイやWi-Fi、冷蔵庫まで完備されており仕事に必要な機器類は概ね揃っています。

設備が整うワーケーション施設

はじめてのワーケーションを前に、期待と不安が入り混じる妙なテンションのまま、スケジュール通り仕事をこなしていきます。しばらく仕事を進めているとテンションも落ち着き、少しずつですがワーケーションらしさを実感できてきます。

施設から海が近いこともあり、普段はなかなか聞くことができないトンビの鳴き声をBGMに、都会の喧騒を離れて快適に仕事ができます。

また、普段とは異なる環境がゆえに、仕事が少し行き詰ってしまった時も、たとえば窓を開けて景色を見たり、休憩がてら外を歩いてみたりするだけで驚くほどリフレッシュできます。

そして、ランチは魚がおいしい地元のお店へ。普段はコンビニ弁当で済ませがちな筆者ではありますが、さすがワーケーション。そんな気持ちはみじんも湧いてきません。おいしい地元めしを満喫し、仕事のモチベーションも上がります。これもワーケーションのメリットの一つかもしれませんね。

体験してみて気付いたワーケーションの注意点

仕事の合間にリフレッシュできたり、仕事のモチベーションが上がったりと、良いこと尽くめのように思われるワーケーション。ですが、実際に体験してみるといくつか注意が必要なことに気付かされました。

  1. 会社に行けない前提で入念に準備をしておこう!

多くの場合、ワーケーションは会社と遠く離れた場所で行われます。オフィス勤務はもちろんですが、在宅勤務の場合でも、「いざとなったら会社に行ける」という安心感がありますが、ワーケーションには当てはまりません。

たとえば、急に会社の設備や機材が必要になったり、PCなどが物理的なマシントラブルに見舞われIT部門の対応が必要な場合でも、すぐに会社に行くことはできません。リゾート地であれば、現地で代替品を調達といった緊急対応も難しいでしょう。

ワーケーションには普段と異なる環境ならではのメリットがありますが、普段と異なるが故の入念な事前準備も必要となります。

  1. 屋外で仕事をするならこんな点に気を付けよう!

今回、筆者は施設を利用しましたが、ワーケーションの醍醐味といえば、豊かな自然に囲まれた屋外での仕事でしょう。ただ、実際に屋外で仕事をするとなるといくつか懸念点が考えられます。

雨や風、日差しなど天候による影響もありますが、たとえば自然あふれる場所であれば虫が気になって仕事に集中できない、海辺であれば砂がキーボードに入りPCが壊れてしまう可能性もあります。

防寒・防暑の対策や、屋根のある施設をきちんと確保するなど、ロケーションに合わせ必要な準備をしてから実施するようにしましょう。

いずれにせよ、ワーケーションにはしかるべき準備が必要ですし、それによって仕事の生産性も大きく変わってくるでしょう。

まとめ

今回は1日だけの体験でしたが、従業員目線でいろいろなメリット/デメリットを感じることができました。

メリット

  • 自分に合った働き方の選択肢が増える
  • 仕事のモチベーションが上がる
  • リフレッシュしながら仕事ができる
  • 普段と異なる環境が発想力を刺激する

デメリット

  • 仕事と休暇の境目が曖昧になりそう
  • ワーケーションの場所には向き不向きがある

メリットについては、ほぼ事前に想定していた通りの効果が得られたような気がします。筆者の個人的な感想になりますが、今後会社として導入を検討するのであればデメリットとして挙げた「仕事と休暇の境目が曖昧」への対策を講じる必要がありそうです。

「ホテルやリゾート地に長期間滞在し、日中は通常通り仕事、終業後は現地の生活を楽しむ」「平日は仕事、週末はそのまま現地で休暇を楽しむ」などワーケーションのスタイルはさまざまと言えるでしょう。また、1日のうち数時間だけを仕事にあてるといった働き方もワーケーションなら可能です。しかし、せっかくリゾート地へ来たのに、ずっと部屋に籠もって仕事をしていた、ということであれは、ワーケーションの十分な効果は期待できませんし、定着も望めないでしょう。そのあたりの線引きは企業側が制度やルールで明確化する必要があるのかもしれません。

そういった意味では、今回の1日体験のような事前検証の機会を設け、得られたインサイトをもとに自社に合った運用方法を検討するのも一つの手ではないでしょうか。

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