Web3時代に注目を集める「DAO(分散型自律組織)」とは?

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次世代型インターネットとして注目を集めるWeb3.0(Web3)や、仮想通貨の話題の中で耳にすることが増えてきている「DAO(読み方:ダオ)」という言葉。 DAOは「Decentralized Autonomous Organization」の略称で、日本語では「分散型自律組織」と訳されています。

本記事では「DAO」とは何か、そして何を実現するものなのか、その意味や特徴、メリットについて解説していきます。

近年注目を集める「DAO」

Web3は「分散型インターネット」を意味し、掘り下げると「巨大なプラットフォーマーから脱し、分散化されて個と個がつながった世界」のことを指します。第一世代の電子メールとWebサイトを中心としたWeb1.0、第二世代のスマートフォンとSNSに特徴づけられるWeb2.0に続く次世代のインターネットとして注目されています。このWeb3の世界を実現する仕組みの1つとして注目を集めているのが「DAO(分散型自律組織)」です。

DAOについては、2022年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」、いわゆる骨太の方針において「ブロックチェーン技術を基盤とするNFTやDAOの利用等のWeb3の推進に向けた環境整備の検討を進める」と明記されています。

DAOとは一体何なのか - その特徴や、実際どのように使われているのかを詳しく見ていきましょう。

DAOとは?その特徴をわかりやすく解説

この骨太の方針では、DAOは「中央集権的な存在に支配されることなく、誰でも参加可能な組織であり、取引が自動的にブロックチェーン上に記録されるため、透明性と公平性に富んでいるとされる」としています。

DAOには、大きく分けて3つの特徴があります。

  • 集権的な管理者を持たず、参加者が運営する
  • 誰でも参加することができる
  • 透明性と公平性を持つ

DAOには、分散型自律組織の名の通り集権的な管理者が存在しません。誰でも自由に参加でき、平等に管理・運営することが可能です。また、オープンソースのブロックチェーン上で運営されており、組織としての透明性が高く、参加者同士で意思決定を行うため、公平性が保たれます。ブロックチェーンは、分散型台帳とも呼ばれ、特定の帳簿管理者を置かずに、参加者が同じ帳簿を共有しながら資産や権利の移転などを記録していく技術です。参加者全員が同じデータを保有しているため、記録の改ざんはほぼ不可能と言われています。

また、特定の管理者や所有者もいません。参加している人が全員、平等な立場で組織の管理・運営をします。何らかの決定すべき事項があるときには、参加者全員の投票によって意思決定がなされます。トップダウン型、上意下達型の従来の株式会社のような組織とはこの点が大きく異なります。

こうした意思決定の投票時などに使用するのが「トークン(ガバナンストークン)」です。組織が発行する参加権や投票権のようなもので、DAOと同様に最近よく聞かれる「NFT(Non-fungible token、非代替性トークン)」にもこうした役割を持つものがあります。

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仮想通貨から人材マッチングまで - 広がりをみせるDAOの事例

DAOはすでに世界中で広く活用されており、「BitCoin(ビットコイン)」もその1つです。ビットコインには管理者はおらず、世界中のユーザーによって管理されています。仮想通貨としてよく知られており、中米のエルサルバドルが2021年9月にビットコインを法定通貨と定めたことも大きな話題になりました。

DAOは仮想通貨のためのものという印象が強いかもしれませんが、それだけではありません。「Ninja DAO」のようにキャラクタービジネスを中心とした多様な活動・プロジェクトを行っているDAOもあれば、「Braintrust」のように業者を仲介せずにフリーランスのエンジニアやデザイナーと人材を探している企業をマッチングするサービスもあります。

DAOは、あくまでも管理者を持たない組織のことで、その成立や運営にブロックチェーンをはじめとしたWeb3時代の技術が使われています。

しかし、DAOはまだ法的な整備が進んでいない部分もあり、セキュリティの面でも懸念が少なくありません。DAOに参加する場合は、こうしたリスクがあることを事前に理解しておくべきでしょう。また参加者が組織を運営するということは、意思決定に時間がかかりやすいということも知っておくべきです。ガバナンストークンによる投票で意思決定を行うわけですから、不正アクセスや機密情報の流出といったセキュリティインシデントが起きた際や、突然のトラブルや方針変更などに迅速な対応がとれないリスクも認識しておく必要があります。

その一方で、政府もWeb3の環境整備に向けて動き始めています。今後、さらに技術革新や環境開発が進み、私たちにとって身近なものになっていくでしょう。

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