デジタル庁が推進。いま注目の「Web3.0(Web3)」とは?

ブースでオンライン会議に参加する女性

次世代型のインターネット「Web3.0(Web3)」をご存じでしょうか?昨今、Web3.0は、私たちの生活やビジネスを革新する可能性を秘めているとして、多くの注目を集めています。では、Web3.0とは一体どのようなものなのでしょうか ー 本記事では、ブロックチェーンやNFTなど先端技術との関係性や、デジタル庁をはじめとした政府の動きを踏まえながら、Web3.0の基礎をわかりやすく解説します。

ブロックチェーンの技術が実現する「Web3.0(Web3)」とは何か?

Web3.0(Web3)は比較的新しい概念で、定義や用法に曖昧な部分があります。そこで、まずは政府が2022年6月7日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2022について」から、Web3.0の解説文を引用します(※1)。

Web3.0・・・次世代インターネットとして注目される概念。巨大なプラットフォーマーの支配を脱し、分散化されて個と個がつながった世界。電子メールとウェブサイトを中心としたWeb1.0、スマートフォンとSNSに特徴付けられるWeb2.0に続くもの。

この解説からもわかるように、Web3.0とは「第三世代のインターネット」のことで、これまでのインターネットとは異なり「分散化されて個と個がつながった世界」が実現されるとされています。ここで一度、インターネットの進化の歴史を振り返ってみましょう。

Web1.0

[1995年〜2000年頃] 政府の解説文でも指摘されている通り、第一世代のインターネット(Web1.0)は、電子メールやWebサイトを中心にしていました。PCなどのデジタル端末の普及率もそれほど高くなく、情報は「マスメディア→個人」「企業→個人」といった一方向で流れるのが一般的でした。

Web2.0

[2000年〜2020年頃] その流れが、スマートフォンやSNSの台頭により変化したのが、第二世代のインターネット(Web2.0)です。スマートフォンを使い、SNSを通じて、各個人が情報を発信できるようになったことで、情報の流れは双方向に変化します。世の中のコンテンツは急増し、インターネットの利便性は一気に高まりました。

しかし、その一方で、Web2.0の課題といえるのが、政府の解説文にも挙げられている「巨大なプラットフォーマーの支配」です。Web2.0では、多くの場合、個人は巨大企業が提供するプラットフォーム上で、情報収集や情報発信を行います。そのため、こうした巨大企業に個人情報や資産情報、検索履歴などのデータが蓄積されやすく、情報漏えいやプライバシーの観点から疑問が向けられることがありました。昨今の個人情報保護の意識の高まりや法改正は、Web2.0の問題点への対応策といえるでしょう。

インターネットの進化の歴史
インターネットの進化の歴史

Web3.0(Web3)

[2021年頃〜] こうした従来のインターネットを乗り越えるものとして構想されているのがWeb3.0(Web3)です。Web3.0の最大の特徴は、仮想通貨などで用いられるブロックチェーン技術を利用した「情報の分散管理」です。Web2.0では巨大企業に集中しがちだった個人情報などを、ネットワーク上で分散化させ、個人が自らの情報や資産を主体的に管理したり、利用できるようにするのが、Web3.0の世界観です。

Web3.0時代のキーワード「NFT」で、私たちの生活はどう変わる?

では、Web3.0によって、私たちの生活やビジネスはどのように変わると予測されているのでしょうか。それを知るうえで重要になるのが、NFT(Non-Fungible Token;非代替性トークン)です。NFTとは「複製不能のデジタルデータ」のことで、ブロックチェーンの技術を基盤とし、デジタルデータに唯一の性質を付与したり、取引履歴を追跡する機能を持ちます。

現在、NFTは、スポーツやファッション、アートなどコンテンツビジネスの分野で利用されるケースが多く、デジタル上で複製不能のコンテンツを制作・販売するビジネスが市場を拡大しています(※2)。

一方で、NFTは、私たちの経済活動や働き方を大きく変える可能性も秘めています。巨大プラットフォーム上ではなく、個人と個人が直接つながり、情報や資産のやり取りをするWeb3.0においては、NFTが決済や本人確認の手段となり得ます。これにより、従来の組織のあり方や報酬の受け取り方に変化が起こると期待されています。

例えば、2022年3月、政府に提出された提言書の中では「NFTや暗号資産をコミュニティの会員証明や報酬、決済手段として利用することで、同一のミッションに賛同する多様なステークホルダーが参加可能な新しい組織ガバナンスやプロジェクト遂行の形(中略)が国内でも生まれはじめており、地方活性化や社会課題解決の新たなツールとなる可能性も注目されている」(※3)と指摘されており、Web3.0における「管理者のいない組織」のあり方が予見されています。

Web3.0においては、トップダウンの中央管理的な組織ではなく、参加者それぞれが運営や活動を支える、自律分散型の組織が台頭すると予想されます。そうしたなかで、個人間で物を売買したり、組織に運営されないプロジェクトに参加することで報酬を得たりといった、今までにない経済活動や働き方が実現すると考えられています。

政府がWeb3.0の推進を決定。デジタル庁で有識者会議を開催予定

2022年6月7日、政府は「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を閣議決定し、その基本戦略の1つとして「Web3.0の推進」を掲げました(※4)。Web3.0を「従来のインターネットの在り方を変え、さらに社会変革につながる可能性を秘めている」と位置づけ、「NFTなどの技術を用いたデジタル資産の法的位置づけの明確化」や「特定プラットフォームに依存しない本人確認・資格証明の利用環境整備」などを重点政策として後押ししていくようです。2022年内には、デジタル庁において有識者会議を開催し、Web3.0実現に向けた課題を取りまとめる方針です(※5)。

以上ご紹介したように、Web3.0時代に向けて、私たちの社会は着実に動き出しています。今後、政府の動きにあわせて、Web3.0の実現が一歩、また一歩と現実味を帯びていくことでしょう。

 

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