【機能紹介】署名・押印後のタスクを自動化する「契約アクション」とは

署名が完了した紙の契約書を処理する2人の女性

新規顧客と契約をしたり、新たに従業員を採用した経験がある方は、「署名」の後にもやるべきタスクが多くあることをご存じかと思います。文書への署名・押印が完了したらそれで終わり、というわけではありません。

実際に所属している部署や職務内容によっても異なりますが、例えば、次のようなタスクがあります。

  • 文書をカテゴリ別に振り分け、リポジトリ(フォルダ)に保存する
  • 文書のデータを分析、または管理するためにスプレッドシートに転記する
  • 文書を関連各部署、または関係者に転送する

もし、これらのタスクをすべて手作業で行ったら・・・多くの時間と手間がかかることは容易に想像できるでしょう。しかし、テクノロジーの進化により、今ではもっと簡単に合意・契約文書を管理する方法があります。例えば、DocuSign eSignature(ドキュサインの電子署名)の「契約アクション」を利用すれば、署名・押印後の一般的なタスクを定義済みのアクションで自動化することができます。

契約アクションは、合意・契約プロセスの最終段階、つまり署名・押印後のタスクを自動化し、時間と手間のかかる業務の圧縮や、単一システムへの集約、さらにビジネスの効率性と収益性の向上を実現します。

契約アクションでできること

文書を作成し、すべての関係者が署名・押印を完了したら、次は契約アクションの出番です。契約アクションは、時間の節約やエラーの排除、プロセスのスピードアップを可能にする多種多様な機能を備えています。これらの機能は、大きく次の3つのカテゴリに分けられます。

  • アーカイブ:あらかじめ定義されたクラウドストレージに文書を保管する
  • エクスポート:レポートや分析ができるようデータをエクスポートする
  • ルーティング:別の部署や関係者に契約書を送付する/新たなワークフローをスタートさせる

それでは、合意・契約管理プロセスにおいて、それぞれのアクションが自動化されるとどのようなメリットがあるのでしょうか。

データ転記とアーカイブの自動化:時間の節約とエラーの排除

手作業による新規データの入力やエラーの修正は、生産性の低下や合意・契約プロセスの遅延の主な原因としてよく挙げられます。これらは例外なく収益化に悪影響を及ぼします。ヘルスケアのような特定のニーズに特化した業界では、そのリスクはさらに高くなります。手作業によるデータ転記の結果として生じる非効率性や医療ミスは、米国の医療業界では年間何十億ドルもの損失を与え、治療成績や患者からの評価を下げる直接的な原因となっています。

その他の業界でも、ドキュサインの製品を利用して手作業によるデータ転記や文書管理のワークフローをデジタル化し、アーカイブプロセスを自動化すれば、ノーコードのシンプルな方法で、効率的かつ正確な契約管理を実現することができます。

紙ベースで契約を管理する際にプロセスやシステムに関して直面する課題
出典:ドキュサインの委託により Forrester Consulting 社が行った調査(2021年)

今日のデジタル市場は変化のスピードが速く、消費者(および従業員)は、迅速でシームレスなやり取りを期待しています。データの転記や文書の保存といったタスクに必要以上に多くの時間を取られていたら、顧客や従業員の満足度を向上させるための時間はほとんど残りません。

ドキュサインの電子署名は高度な機能を備えており、カスタムフィールド、テンプレートタイプ、エンベロープデータに基づき、事前定義した契約アクションを設定できるので、合意・契約文書および関連データを任意の数のクラウドストレージに自動的かつ正確にエクスポートし、アーカイブすることが可能です。利用できるクラウドストレージには、DocuSign CLM、Box、Dropbox、Google、Microsoft OneDrive、Microsoft SharePoint などがあります。さらに、自動アーカイブの用途は多岐にわたり、例えば、手続きが完了した販売契約書を財務部門用のフォルダに振り分けたり、雇用契約書を給与支払いチーム用のフォルダに自動保存することができます。

システムへのデータエクスポート:契約の可視性を向上

多くの手作業を必要とするデータ管理システムや文書リポジトリでは、文書やデータがどこにあるかがわかりにくい形で保管されています。そのため、欲しい情報を見つけるまでに何十分、何時間もかかってしまうことがあります。

今日の優れた電子署名サービスの中には、簡単に重要な情報をアプリケーションに転送し、ボタンひとつで何がどこにあるのかがわかる、高度なデータエクスポート機能を提供しているものもあります。ドキュサインの契約アクション機能を使えば、例えば、新入社員が雇用契約書に署名すると、配属部署や入社日、業務内容といった個々のデータ要素が自動的にエクスポートされ、Google スプレッドシートなどで容易に管理することができます。本機能を活用している米国のある宅配サービス会社は、ドライバーを継続的に雇用し、採用動向の可視性を向上することができました。

手続きが完了した膨大な数の合意・契約文書のデータを一ヵ所に集約して分析することで、これまでは得ることができなかった(あるいは得るにはコストがかかりすぎるため断念していた)知見や考察、機会を得られるようになります。例えば、特定の期間に何人の候補者を採用したか知りたい場合、パラメータを設定するだけで、必要な情報を瞬時に引き出せます。さらに、情報を Google や Excel のスプレッドシートにエクスポートし、各従業員の契約書原本にリンクさせることも可能です。

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次のステップの自動化:ワークフロー実行の迅速化

契約書への署名が完了すると、契約内容に基づいてさまざまなアクションが必要になります。そこから先のタスクに遅れが生じると、顧客の満足度が低下したり、持続的な収益が見込めなくなるかもしません。重要なのは、契約が成立したら即座に次のアクションを実行し、顧客を満足させ、収益源を確保し続けることです。

ワークフローは、複数のステップが秩序立てて組み合わされたプロセスです。それが自動化されていれば、より一層使いやすいものになります。契約アクションを活用すれば、契約データをワークフローに即座に自動でエクスポートしたり、他のCLM(契約ライフサイクル管理)ワークフローを始動させることができます。例えば、事前にトリガーを設定することで、設備に関するリクエストやアカウント設定、新規パスワードの発行、新入社員向け資料の共有、バックグラウンドチェックの実行など、署名・押印の後に続くあらゆるアクションを自動で開始できるようになります。クラウドベースなので、いつでもどこからでも開始でき、遅延や欠落、連絡ミス、誤解が生じることもありません。

契約アクションを活用した効率的な合意・契約管理プロセスへ

一般的に、非効率的な契約管理は時間とコストの浪費とも言えます。企業が成長し、契約の数が増えれば増えるほど、管理の手間とコストは膨れ上がり、エラーも発生しやすくなります。手作業で行なっていたタスクを自動化することは、従業員にも、顧客にも、そして組織にもメリットがあります。

契約アクションは、従来の手間のかかるワークフローに代わり、署名・押印の後に行われるタスクを自動化し、契約ライフサイクルの重要なステップである「署名」と「実行」をシームレスにつなぎ、より効率的な合意・契約管理プロセスを実現します。

 

※本ブログは「DocuSign Agreement Actions: The Benefits of an Automated E-Signature Solution」の抄訳で、日本向けに一部加筆修正しています。

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