Funding Circle は、中小企業向け融資プラットフォームを提供するイギリス最大のソーシャルレンディング企業です。同社は世界金融危機の後、中小企業 (SME) が従来のルートでの資金調達に苦労したことから、2010年に設立されました。現在、世界中の約10万社の企業に115億ポンド以上の融資を行っています。10年にわたる機械学習技術への投資と中小企業に関する専門知識を組み合わせることで、借り手は迅速かつ簡単に融資を受けることができます。

ドキュサインの電子署名と ID Verification で申請プロセスをエンドツーエンドでデジタル化

支店を持たない同社は、革新的なテクノロジーを使って、既存の金融機関よりもスピーディーな融資サービスを提供しています。2020年には、ドキュサインの電子署名および ID Verification を導入して、デジタル化されたワークフローを完成させ、余計な手間を省くことで、シームレスな顧客体験の提供が可能になりました。

同社の申し込みプロセスはこれまでも迅速に行われていたものの、ドキュサインの電子署名を導入する前は、いくつか紙ベースのプロセスがありました。例えば、顧客は同社ウェブサイトからローンを申請すると、簡単なフォームへの記入と書類の提出が必要でした。信用調査を行った後、申請が通った顧客にはローン契約書を作成し、それを印刷して会社の役員が直筆で署名を行います。その後、顧客が署名をし、原本とスキャンしたコピーを Funding Circle に返却して、手続きが完了となります。

ドキュサインの電子署名を導入した後は、ローン契約書が作成されると、電子的に送信および署名ができるようになり、これにより、プロセス全体の時間を短縮することが可能になりました。電子署名を導入する前は、契約書に署名して返送するのに少なくとも24〜48時間かかっていましたが、今では1時間で済んでいます。

安全性の向上と信頼の強化

Funding Circle は、DocuSign ID Verification を使用して各申請者の身元を確認しています。このプロセスは、投資家と中小企業の借り手を結びつけるプラットフォームにとって必要不可欠となる、特別なレベルの管理が必要となります。また、最高レベルのデューデリジェンス (*) を実施するための Funding Circle のシステムとメカニズムを補完するものでもあります。

ドキュサインの電子署名と ID Verification を導入する前、Funding Circle は署名者の身元確認は本人の直筆の署名と証人に依存していました。このプロセスをデジタル化することで、セキュリティレベルが強化され、貸し手が期待するデューデリジェンス (*) と信頼の全体的なレベルを上げることができました。

現在では、ローン契約書が電子的に送信されると、各署名者は署名前に本人確認を行う必要があります。本人確認は電子署名のワークフローに組み込まれており、顧客はワンストップで本人確認と署名を行うことができます。

*デューデリジェンス:投資を行うにあたり、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査すること

ドキュサインでパンデミック対策資金のスピーディーな提供を実現

Funding Circle は、新型コロナウイルス事業中断融資制度(CBILS)の認定を受けた最初のフィンテック企業の1つとして、中小企業にパンデミック対策資金を提供する上で重要な役割を果たしました。2021年2月時点で、同社を通じて26億ポンドの CBILS 融資が承認されており、CBILS 融資先としては第3位となっています。

即日融資(Instant Decision Lending)の技術など他のイノベーションに加えて、Funding Circle がドキュサインの電子署名と ID Verification を導入したことで、申請者は最短6分で融資を申請し、数秒で審査結果を受け取ることができるようになりました。これにより、同社は中小企業に比類のない融資体験を提供しています。

 

※本事例は「Funding Circle digitizes their application process with DocuSign for a faster and better customer experience」の抄訳になります。