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    融資手続きに要する時間
  • 4倍

    DX後の融資処理件数

シカゴのウエストサイドに本拠を置く非営利の地域金融開発組織であるAllies for Community Business(A4CB)は、健全かつ活気のある地域社会を作る上で、中小企業が重要な役割を果たすと考えています。しかし、新たにビジネスを始めることは決して簡単なことではありません。特に、どのように資本やスタートアップに関する専門知識を得られるのかを知らなければ、なかなか起業はできません。そこで、A4CBの出番になります。

A4CBは、イリノイ州とインディアナ州の起業家に助成金と融資を提供し、事業を立ち上げ成長させるために必要な資金や指導、協力を行なっています。A4CBは、従来の方法では資本の獲得が困難な黒人、ヒスパニック/ラテンアメリカ系、女性、低所得の中小企業経営者を優先的に支援しています。

昨年のパンデミックで中小企業の緊急資金調達の必要性が高まると、A4CBは顧客の要望に応えるため、迅速に対応する必要に迫られました。そのためには、全面的にデジタル化された、理想的にはモバイルにも対応したソリューションを提供するとともに、融資実行までの時間を大幅に短縮しなければなりませんでした。

具体的にどうしたのでしょうか。それは、完全なデジタルトランスフォーメーション(DX)です。これにより、A4CBは顧客と対面せず離れた場所からでもビジネスが可能になり、より多くの経営者を支援できるようになりました。スムーズな契約プロセスの確保、不正行為の防止、監査要件のクリア、顧客データの安全かつ確実な保護が最重要課題でした。

最適なタイミングでのデジタルトランスフォーメーション

「電子署名やリモートでの本人確認を含む、デジタル技術を活用した融資手続きへの移行」という目標達成へ向けてA4CBが採用したのは、DocuSign Agreement Cloud の一部であるDocuSign eSignature(ドキュサインの電子署名)と DocuSign ID Verification でした。

従来、A4CBではビジネスの多くをマニュアルで行っていました。スタッフは車で顧客に会いに行き、各顧客との取引ごとに多くの紙の書類を管理していました。業務のデジタル化を決断したA4CBは、電子署名と本人確認を組み合わせた信頼性の高いプラットフォームの実装を手助けしてくれるソリューションとしてドキュサインを選びました。

DocuSign eSignature と DocuSign ID Verification の導入効果はすぐに現れました。月平均30件だった成約が、4倍の月125件まで増えたのです。

パンデミックが最も猛威を振るった時期には、月に400件の融資契約を成約し、資金を供給しました。急激な需要の増加に対応できたのは、新しいデジタルプロセスのおかげでした。

業務がオンライン化されたことで融資担当者が顧客に直接会うために車で出向く必要がなくなり、融資 1 件あたりの所要時間が短縮されました。加えて、これまでA4CBのスタッフが行っていた手作業による書類作成・管理の多くは不要になりました。代わりに、融資担当者はテンプレートを利用することで必要な書類を迅速に作成、再利用できるようになり、都度新たな融資契約書を作成する必要はなくなりました。

1件あたり30分かかっていた融資手続きが、わずか15分で済むようになりました。所要時間が半分に減ったため、生産性を2倍以上も向上させることができました。
Joan Galaviz 氏
キャピタル・オペレーション・マネージャー
Allies for Community Business

すべてがデジタル化されているので、手続き状況の追跡と管理は容易になりました。大量の書類をマニュアルで確認したり、ファイルをスクロールすることなく、各ステップをスムーズに進められるようになったことで、A4CBでは成約までの時間が大幅に短縮されました。また、紙のファイルを保管する必要が大幅に減り、スペースの節約にもつながりました。

DocuSign ID Verification で「本人確認」を行うメリット

電子署名を利用することで、セキュリティや監査の管理も強化されました。そして、署名者の本人確認という重要なステップを担うのが DocuSign ID Verification です。

「あらゆる不正行為の防止に必要なセキュリティ対策を遺漏なく講じていることを、監査人に示さなければなりませんでした。これは、お客様と直接会えない状況下では特に重要になりました」とGalaviz 氏は言います。

メリットは他にもあります。融資を受ける人は、都合に合わせてオンラインで書類に署名したり、直感的でわかりやすいモバイルインターフェースを介して、自身のスマートフォンなどのモバイル機器から本人確認用の運転免許証やパスポートを提出することができます。対面でやり取りする必要がなくなる、つまり融資手続きのために多くの時間を割くことなく、ビジネスに集中する時間を増やせます。

処理能力の拡大はより多くのチャンスを生み出す

DocuSign eSignature と DocuSign ID Verification によって、A4CBはパンデミックの中でもリモートで安全に業務を行うという目の前の目標を達成できました。

しかし、もっと先の未来にかかわる成果もあります。デジタルトランスフォーメーション(DX)はA4CBの事業において長期的に重要な「業務能力を高めること」「お客様にシンプルな体験を提供すること」「ビジネスの機敏性を上げること」、そして「途切れることない事業継続」を可能にします。

また、A4CBにとってデジタルトランスフォーメーション(DX)は「事業能力を拡大し、これまで以上に多くの中小企業経営者を支援する」という長期的目標の実現へ向かって着実に進むためにも役立っています。

A4CBのマーケティング・広報部長の Jackie Blair 氏は、「まさに今、十分な支援を受けられずにいる企業などから資金を求める声が非常に高まっています」と述べています。A4CBは、デジタルプロセスをさらに改良し、組織内部の業務効率を上げることで、増え続ける起業家に対してより多くの資金や指導を提供できるようにしたいと考えています。「これからもできる限り多くの人々にサービスを提供し、できる限り多くの地域社会を支援していきたい、それが私たちの願いです」とBlair 氏は今後の展望を語ります。

 

※本事例は「Allies for Community Business finances entrepreneurs with DocuSign Agreement Cloud」の抄訳になります。