印章管理規程とは?電子署名ではどう対応すべきか

契約書に代表者印を押す取締役

公開日:2022年12月12日|最終更新:2023年6月26日

各種手続きや契約、承認・決裁など、さまざまな場面で利用される印章(ハンコ)。特にビジネスで利用する印章は多岐にわたるため、「印章管理規程」を作成し、印章の使用および管理方法を定めている企業も多くあります。

本記事では、「印章管理規程」とはどのようなもので、どのような役割があるのかを解説するとともに、電子署名を利用する場合の必要性について考えていきます。

印章管理規程とは?

印章管理規程は、社内規程の1つです。社内規程は、本来企業が自社の秩序を保ち、ビジネスの将来性や継続性を担保するために作成されます。なかには、就業規則のように一定の条件を満たした企業に対して作成が義務付けられている社内規程もありますが(※1)、印章管理規程については作成の法的義務はありません。

しかし、大企業などを中心に多くの企業で印章管理規程が定められており、その規則に従って印章が使用・管理されています。例えば、代表者印(丸印)は、企業の代表者、または権限を委託された社員が押印するのが一般的です。こうした運用の根拠として、印章管理規程が定められています。

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印章管理規程の必要性

それでは、なぜ多くの企業が印章管理規程を定めているのでしょうか。

企業で利用される印章といえば、設立の際に作成する代表者印(丸印)や、銀行の法人口座開設のための銀行印、組織の認印である社印(角印)などがありますが、これらは会社の意思を示す極めて重要なツールです。そのため、紛失や盗難、偽造などによるリスクを避けるために、一定の規則を設け、適切に管理運用する必要があります。また、印章の利用権限などを明確化することで、無秩序な押印を防ぎ内部統制を強化することもできます。

実際に、企業が株式上場する際には印章管理規程の整備と運用実績が求められるとされています(※2)。株式上場には、企業の資産価値はもちろん、コーポレートガバナンスなどの対外的な信頼度も必要不可欠です。その意味では、健全かつ安定した組織運営を実現するうえで、印章管理規程は欠かせない規則だと言えるでしょう。

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印章管理規程で定めるべき項目

具体的に印章管理規程にはどのような規則があるのでしょうか。以下、一般的に印章管理規程で定められている項目を紹介します。

  • 印章の種類と定義:社内で利用される印章の種類(代表者印、社印、銀行印など)と、それぞれの押印がどのような効果を持つのかについて定めます。
  • 印章を使用する範囲:「どの書類に、どの印章を使うのか」といった印章の利用範囲を定めます。
  • 印章の保管場所:それぞれの印章の保管場所や(金庫などの)鍵の管理方法などについて定めます。
  • 印章の管理責任者:それぞれの印章の管理責任者や権限を委託する場合の規則などについて定めます。一般的に、代表者印は総務部、銀行印は経理部、角印は各部門の部門長を管理責任者として指定します。
  • 印章の持ち出し:印章を持ち出す際の承認者や持ち出しの方法、持ち出す際の記録方法や返還時の手続きなどについて定めます。
  • 印章の作成・改印・廃止:印章を新しく作成・変更・廃止する際の規則を定めます。また、不正使用を防ぐため、印章を廃棄する際の手続きや担当者などについても記載することがあります。
  • 印章の紛失・盗難があった場合の対応:印章が紛失・盗難などにあった際の連絡先や対処について明確化し、記載します。

電子署名でも適切な印章管理が必要

印章は企業の意思を表す重要なツールであり、コーポレートガバナンスを徹底するためにも、印章管理規程による適切な管理が重要です。昨今、脱ハンコが進み電子署名の利用も広がりつつありますが、「適切な管理が必要」という点では、これまでと変わりはないでしょう。電子署名を利用する際も、適切に押印権限などを管理し、不正利用や無秩序な押印などを防ぐ必要があります。

ドキュサインの電子署名(製品名:DocuSign eSignature)は、社内の印章管理規程に沿って、押印権限を管理できる「印鑑管理機能」を備えています。本機能を活用すれば、社印や部門印など組織側で用意・管理している印章を利用できるユーザーを制限したり、特定の社員またはグループに押印権限を割り当てることも可能です(個人が所有する印章など、組織によって管理されていない印章の利用は制御できません)。単に「印章」を電子化するだけでなく、現行の印章管理規程の電子化をサポートし、電子署名の導入後も、不正利用を防ぎながら、コーポレートガバナンスの徹底などを実現できます。

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