こんなにある契約書の種類!利用シーンとともに一挙紹介

紙の契約書に押印する人

私たちは日常生活の中で商品を購入したりサービスを利用する際、またビジネスの場で約束を交わす時など、さまざまな場面で契約を交わします。その際に用いられるのが契約書です。契約書には、販売契約書や雇用契約書、秘密保持契約書など、実にたくさんの種類が存在します。

今回は「そもそも契約とは何か?」について考え、また契約書の分類やよく用いられる契約書の種類をご紹介します。

「契約書」を作成する意義とは?

契約とは、売主と買主、雇用者と労働者など、当事者間で意思が合致する(=合意する)時に初めて成立するものです。そして、この当事者間で具体的にどのような約束事が決められたのかを記録として残しておくために契約の内容が記された文書、つまり契約書を用いるのです。意思表示の方法としては、契約書に署名や押印をすることが一般的です。

なお、日本の法律では契約において、一部の例外を除き契約書の作成は必須ではありません。しかし、口頭での約束では契約内容の確認が難しいため、ビジネスの場では契約書を作成することが通例となっています。

契約を締結する相手や契約内容などには基本的に制限はなく、当事者間で自由に取り決めることができます。これを「契約自由の原則」と呼びます。契約自由の原則は、正確には以下の4つの自由で構成されています。

  1. 契約締結の自由:契約を締結するのかどうかは当事者の自由である
  2. 相手方選択の自由:契約を交わす相手は自由に選べる
  3. 内容決定の自由:契約の内容は当事者間で自由に決められる
  4. 方式の自由:口頭、文書など、契約を交わす際の方式は自由である

ただし、法務省説明資料によると、契約を結ぶ当事者の中には、雇用主と労働者、事業者と消費者など、対等な関係とは言えないものもあります。そのため、労働者や消費者といった立場の弱い者を保護する観点から、契約自由の原則が制限される例外も存在します。例えば、労働基準法が定める労働時間を超えるような雇用契約を結ぶことはできない点などがそれにあたります。

契約書の分類方法

契約書の種類は多岐にわたりますが、どのように分類することができるのでしょうか。ここでは、民法の規定による視点で分類する方法と、契約書が使われる分野や場面で分類する方法でみていきます。以下、この2つの分類法について解説します。

民法での規定による分類

民法では、よく行われる13種の契約に関して規定を設けています。この13種の契約は「典型契約(有名契約)」といった名称で呼ばれています。具体的には、以下の13種が典型契約に数えられます。

  • 贈与
  • 売買
  • 交換
  • 消費貸借
  • 使用貸借
  • 賃貸借
  • 雇用
  • 請負
  • 委任
  • 寄託
  • 組合
  • 終身定期金
  • 和解

契約によっては上記のカテゴリのうち複数該当するケースも存在します。例えば、オーダーメイド製品を販売する際は、請負と売買の両方のカテゴリに該当すると考えられます。このように複数のカテゴリに属するような典型契約は「混合契約」と呼ばれています。

一方、民法に規定されていない契約は「非典型契約(無名契約)」と呼ばれ、出版契約やリース契約などがこれに該当します。

契約書が用いられる分野や利用シーンによる分類

どのような分野や場面で用いられるのかといった観点でも契約書を分類できます。例えば、労働契約書や業務委託契約書といった契約書は、労働・人事などに関する契約書のカテゴリにまとめられます。また、サブリース契約書や賃貸借契約は、不動産に関する契約書のカテゴリにまとめられると考えられます。

なおこの分類法は、必ずしも1つの契約書が1つのカテゴリで分類できるとは限りません。秘密保持契約書などは、さまざま分野や場面で用いられるため、1つのカテゴリに分類することは難しいでしょう。

こんなにある契約書の種類

それでは、具体的にどのような種類の契約書があるのでしょうか。よく知られている契約書を以下の分野・場面ごとにピックアップしてご紹介します。

  1. ビジネスシーンで利用される契約書
  2. 労働関係の契約書
  3. サービス利用時や購入時によく使われる契約書
  4. 不動産分野でよく使われる契約書

1. ビジネスシーンで利用される契約書 

秘密保持契約書

秘密保持契約書は社内の機密情報が外部に漏れてしまうことを防ぐための契約書です。業務の一部を別の企業に委託する際や共同開発を行う際などによく交わされます。

商標使用権許諾契約書

商標とは、商品やサービスに使われるロゴや名称などを指します。商標は自社商品であることを示すものであるため、外部の者に勝手に利用されぬよう商標権で守られています。宣伝など自社にとって利益となる場合は、外部の者に使用を許可するケースもあります。その際に結ばれる契約書が商標使用権許諾契約書です。

広告掲載契約書

広告掲載契約書は、広告スペースに広告を掲載する際に結ばれる契約書です。例えば、看板やWebサイトなどの管理者と広告掲載を希望する者との間で契約が交わされます。

その他にも以下のような契約書があります。

  • 商品販売委託契約書
  • 顧問契約書
  • 営業委託契約書
  • 経営委託契約書
  • 代理店契約書

2. 労働関係の契約書

雇用契約書

雇用契約書は、経営者と労働者が雇用契約を結ぶ際に用いられる契約書です。雇用契約書内には、規定の労働時間、残業や休日に関すること、給与の額や支払い方法などの情報が記載されます。

業務委託契約書

業務委託契約書は、別の企業やフリーランスに業務を委託する際に用いられる契約書です。この契約書では、請け負う業務の内容や報酬、成果物の権利がどこにあるのか、秘密保持の規定、契約期間などの情報が記載されています。

就業規則

就業規則とは会社内のルールを規定した文書で、使用者は書面での交付、アクセスしやすい場所への掲示等の方法で従業員に周知する必要があります。あらかじめルールをしっかり明記しておくことで、不測のトラブルが生じた際にも迅速に対応することができ、また会社のルールを可視化できるといったメリットがあります。

その他に労働・人事関連の契約書には以下のようなものがあります。

  • 派遣契約書
  • 退職金規程
  • 身元保証契約書

3. サービス利用時や購入時によく使われる契約書

会員規約

会員規約は、スポーツクラブやクレジットカード、Webサービスなど会員登録を行う際に用いられる規約の1つです。会員規約では、サービス利用において未然にトラブルを防ぐために、個人情報の取り扱いや更新・退会・解約のルールなどを定めています。

利用規約

利用規約は、サービスを利用するうえで守るべきルールをまとめた文書で、ユーザーがサービスの利用を開始する際に交わされます。利用規約内には、アカウント登録に関すること、サービス利用停止の条件、禁止項目、免責事項などの情報が記載されることが多くあります。

4. 不動産分野でよく使われる契約書

サブリース契約書

サブリースとは、住居所有者(大家)に代わって不動産業者(サブリース業者)が入居者に転貸することを指します。サブリース契約は、不動産業者と住居所有者との間で交わされます。

賃貸借契約書

賃貸借契約書は、貸主が借主に対してアパートやマンションなどの部屋を貸し出す際に交わされる契約書です。

不動産分野では、他にも以下の契約書がよく利用されます。

  • 抵当権付売買契約書
  • 売買予約契約書
  • 社宅使用契約書
  • 借地権譲渡契約書
  • 建物使用貸借契約書
  • 土地転貸借契約書
  • マンション管理規約
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ドキュサインで契約書を一元管理

このように一口に「契約書」といっても実にたくさんの種類があります。中には紙ベースの契約書を一部ずつ作成、送付、保管している企業もあるでしょう。そのため、契約を交わすことが多いビジネスシーンでは、契約管理が煩雑化する傾向にあります。しかし、ドキュサインのソリューションを利用することで、契約書を電子化し、準備から署名・押印、データの入力、管理まで契約プロセス全体を一元管理することができます。電子署名を含むドキュサインのソリューション「DocuSign Agreement Cloud」に関する詳細は、こちらのページをご覧ください。

電子署名で契約業務を効率化!その仕組みとは →

 

参考:

Contributeur DocuSign
筆者
Docusign
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