日本における電子署名の適法性

legality

これまで、電子署名の基本的な内容や、用語の解説、活用例などをご紹介してきましたが、今回は、法的な所に踏み込んで解説したいと思います。

電子署名とは、電子文書に対して、当事者(間)で、合意意思を示したことをデジタルに安全に記録する仕組みや技術になり、これにより誰が何の文書に合意したかということを証拠とすることができ、また電子署名は電子契約に留まらずに利用範囲が広いことを説明しました。またデジタル署名によるオプションで証拠としての効力 を高めることをお話ししました。

電子署名は日本の契約上でも適法であり、その根拠は以下の通りです。

  • 日本法上、契約を有効に成立させるためには、契約が(大規模な建設工事の契約などの)特定の法定書式要件の対象である場合を除き、必ずしも手書きの署名や押印が要求されるものではありません。
  • 一般的な法原則として、以下に記載する一定の限られた例外を除いて、当事者が合意をすれば、その合意が口頭、電子的な書面又は紙などの物理的な書面のいずれによりなされたかにかかわらず、契約は有効に成立します。
  • 有効な契約の存在を証明するために、当事者が裁判所に証拠を提出しなければならないことがありますが、日本の裁判所は、一般に、証拠の採用及び証拠調べにおいて幅広い裁量を有しています。先進的な電子取引管理ソリューションは、契約の存在、真正性及び有効な受諾の裏付けに役立つ、証拠としての効力 を備えた電子記録の提供を可能にします。

なお、契約の形式が原則自由であることは,2020年4月に施行される新民法(2017年に成立したもの)の522条2項に明記されています。

電子署名が使用できる例

  • 法人間の商取引契約(秘密保持契約、調達に係る文書、販売契約書等)
  • 人事関連文書(福利厚生関連の文書、その他新入社員の採用手続に係る文書等)
  • 消費者関連契約書(リテール口座の新規開設に係る文書)
  • 一定の不動産関連文書(売買契約、一般賃貸借契約、その他住宅用不動産及び商業用不動産に関連する文書)
  • IP譲渡契約

電子署名や電子取引管理の使用が一般に適切ではない例

  • 訪問販売に係るクーリングオフの書面(特定商取引に関する法律第4条)
  • 媒介による不動産取引における重要事項説明書等の交付文書(宅地建物取引業法35条,37条)
  • 任意後見人契約(任意後見人契約に関する法律)
  • 遺言書(民法)
  • 定款(会社法)
  • 委任状による一定の政府届出
  • 定期不動産賃貸借契約(借地借家法)

保証契約などのように、紙の書面が必要と書かれていても別の条文で電磁的記録が許容される場合もあります。

宅地建物取引業法34条の2では、媒介契約の内容(同条1項各号記載の事項)を記載した書面の交付を義務付けていますが,一般的には,媒介契約書を紙で作って,これらの事項を記載しています。しかし,法律的には,契約書は電子で作成し,別途,内容を記載した書面を交付してもよいことになります。

建設業法の第19条で定められている建設工事の請負契約時の契約は書面でなくとも、国交省の要件を満たす情報通信技術の利用も可能です。(法第19条3項)ただし、国交省の定める要件として建設業法施行規則の第13条の2第2項の要件、ファイルの出力による書面作成と書面の改変が行われていないか確認できること、を満たすことが必要です。ドキュサインの上記技術適合性についてグレーゾーン解消制度を利用して確認しております。

 

電子署名の適法性に関する資料をダウンロード →

 

参照

  • 訪問販売等に関する法律(昭和51年法律第57号)
  • 特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号)
  • 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)
  • 建設業法(昭和24年法律第100号)
  • 建設業法施行規則(昭和24年建設省令第14号)
  • 商業登記法(昭和38年法律第125号)
  • 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成16年法律第149号)
  • 書面の交付等に関する情報通信の技術の利用のための関係法律の整備に関する法律(平成12年法律第126号)
  • 電子契約の教科書~基礎から導入事例まで~[改訂版] 宮内 宏 (編著) ISBN 9784539726761

 

免責:このサイトの情報は一般的な情報提供のみを目的としており、法的助言を提供することを意図したものではありません。電子署名にかかわる法律は急速に変更される可能性があるため、ドキュサインはこのサイト上のすべての情報が最新であることまたは正しいことを保証することができません。このサイトの情報について特定の法律上の質問がある場合には、弁護士にご相談ください。

公開
関連トピック