契約書を改ざんするとどうなる?知っておくべき防止策とリスクの軽減方法

契約書に押印する人

ニュースなどで文書の改ざんに関する事件を目にすることがありますが、特に、金銭のやり取りに関する契約書の改ざんは少なくありません。私たちが日常的に作成する書類や文書などにも、改ざんのリスクはつきまとっています。そのため、契約書などの重要な文書を作成したり、署名・捺印する際には、改ざんのリスクや防止策を理解しておく必要があります。本記事では「文書の改ざん」をテーマに、その防止方法や文書を改ざんした際に問われる罪や量刑について、解説していきます。

どうすれば偽造を防げる?契約書の改ざん防止策とは?

紙の契約書において、改ざん防止策として挙げられるのが割印です。割印は、複数の書類をずらして重ね、1つの印鑑をまたがるように押印します。割印を行った文書の内容が同一であることや、整合性がとれていることを証明するのが目的です。紙の契約書の場合、原本と写しを重ねて割印するのが一般的です。原本と写しに割印することで、両者の同一性を担保し、契約書作成後の改ざんを防止しています。

契約書が複数枚に渡る場合には、契印も行われます。契印は1つの書類の継続性を証明するものであり、契約書のページの綴じ目や裏表紙の帯の継ぎ目などに押印されます。契約書作成後に一部を差し替えられたり、廃棄されたりするのを防ぐのが目的です。契約書作成などの際に押すことの多い割印や契印ですが、文書改ざん防止に確かな効果を有しています。

また、紙の契約書の偽造や改ざんを防ぐ「改ざん防止機能付け契約書用紙」も販売されています。この契約書用紙は、コピー機で複写すると「COPY」の文字が浮き上がるよう、特殊な加工が施されているほか、用紙ごとに製造ロットを印刷することで改ざんのリスクを軽減しています。

契約書の改ざんで問われる罪とは? 

では、契約書の改ざんによって問われる罪とは何でしょうか。文書の改ざんを罰する罪は文書偽造罪です。文書偽造の罪は、大まかに公文書と私文書の2つに分けることが可能です。公文書とは、健康保険証・運転免許証・戸籍謄本など役所や公務員が作成する文書のことを指します。一方、私文書とは私人が作成した書類で、権利や義務もしくは事実関係を証明する文書のことを言います。公文書以外の文書を指し、履歴書・誓約書・契約書などが含まれます。

このうち、私人が契約書を行使する目的で偽造する罪は「私文書偽造罪」と呼ばれます。

私文書偽造罪は「有印私文書偽造罪」(刑法第159条1項)、「有印私文書変造罪」(刑法第159条2項)、「無印私文書偽造罪、無印私文書変造罪」(刑法第159条3項)に3分類できます(参照:刑法)。署名や押印のある契約書の改ざんは、この分類のうち、有印私文書偽造罪と有印私文書変造罪のどちらかに該当するおそれがあります。

なお、「偽造」と「変造」については法律上で明確に区別されています。

有印私文書偽造罪は、作成権限のない者が他人の印章や署名などを用いて、私文書を作成する罪を指します。つまり、行使の目的を持って、他人名義の印鑑や署名で契約書を作成した場合は、有印私文書偽造罪に該当します。

一方で、有印私文書変造罪は、他人名義の印章や署名のある私文書の一部を偽造する罪のことです。すでに作成された押印又は署名のある契約書の一部を、作成名義人以外の権限のない者が偽造した場合、有印私文書変造罪に該当します。

有印私文書偽造罪と有印私文書変造罪は、私文書を偽って作成するか、作成後の私文書の一部を偽造するかというポイントで異なりますが、罰則は両者ともに「3カ月以上5年以下の懲役」と定められています。

「電子契約における文書の改ざん」にも注目を

行政機関などを中心とした「脱ハンコ」の流れを契機に、最近では電子契約を利用するシーンも増えてきています。しかし、電子契約の場合はどのように改ざんを防ぐことができるのでしょうか。

例えば、ドキュサインの電子署名では、「誰が」「いつ」「どこで」「何の文書に」「どのような手順で」「どのような処理をしたのか」といった監査証跡が完了証明書に記録され、厳格なセキュリティ基準のもと、締結済みの契約書とともにクラウド上に保管されます。また、ダウンロードする際には、改ざん防止シールが施されるなどの改ざん防止策も取られています。

電子契約を利用すれば、改ざんリスクを軽減することができ、割印や契印といった紙の契約書ならではの改ざん防止策を講じる必要もありません。さらに、紛失・破損、劣化、漏洩などのリスクを回避し、コンプライアンスを強化することができます。この機会に、電子契約の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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