5G(第5世代移動通信システム)で変わる働き方②

注目の遠隔ビジネスとは?

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「5G(第5世代移動通信システム)」は通信システムの進化であるため、社会の隅々に多大な影響を与えることが期待されています。「5G(第5世代移動通信システム)で変わる働き方① ビジネスパーソンを通勤・移動の負担から解放する?」の記事では、5Gの概要、そして5Gによって働き方がどのような影響を受けるかを解説しましたが、例えば、回線の性能アップによってストレスフリーなテレワークが期待できます。

しかし、5Gによる影響は何も働き方だけにとどまりません。通信ネットワークを利用する全ての産業や業務がその対象となるでしょう。

今回は、5Gと関わりの深い機能である「遠隔操作」に焦点を当て、それが建設・医療・製造の現場をどのように変えていくのかをご紹介します。

建機の遠隔操作が5Gでレベルアップ?人材不足解消の期待も

まずは建設・土木の分野についてお話します。建機の遠隔操作自体は以前から存在しており、専用の機器を用いて遠くにある物体に対してあたかも目の前にいるかのように働きかけるVR(仮想現実)は、建設・土木業界において大きな可能性をもたらしました。

しかし、4Gでは通信の遅さによるタイムラグがネックとなっていました。タイムラグが発生すると、オペレーターの操縦がうまく実際の機械の動きに反映されず、場合によっては対象となる建物に損壊を与えてしまう恐れがあります。

このタイムラグは、オペレーターと作業現場の距離が伸びれば伸びるほど大きくなります。遠隔操作の技術は、オペレーターが作業現場に行かなくても作業できる点がメリットです。しかし、オペレーターが作業現場ないしその近くに行かないとうまく操作ができないのであれば、本末転倒でしかありません。

建設・土木における遠隔操作のタイムラグ問題は、通信性能の向上により解決されると期待されています。5Gが導入されれば、理論的にはどこからでもタイムラグなしに機械を操縦できるためです。例えば、操作に習熟したオペレーターが首都圏や関西圏の本社に集まり、そこからモニターと遠隔操作で日本中の機械を操作できれば移動の手間がなくなります。高所や不安定な足場、災害現場など危険な作業現場に行かず機械を操作できるので、より安全に作業を進められるようになるでしょう。

これで生産性の向上と移動費の削減につながることはもちろん、建設・土木業が悩まされる人材不足の改善にもなるかもしれません。高齢化が進み次世代への技術継承が深刻な課題とされる中で、技術者を一カ所に集約できるのは教育のしやすさという点でも有意義と考えられます。

参考:KDDI「KDDI、大林組、NEC 「5G」を活用し、建機の遠隔操作による連携作業に成功」

遠隔医療・オンライン診断の普及で医療格差の改善

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5Gは、医療現場における人材不足の一部分を改善する可能性を秘めています。山村や離島などのへき地では高齢化が進み医療需要が高まる一方、滞在する医師の数が足りておらず、住民が十分に医療サービスを受けられないという課題が深刻化しています。

こうした問題を解決するために、遠隔地からテレビ会議システムを介してオンライン診断を提供したり、ロボットを駆使して手術を行ったりする技術の開発が進んでいます。こうした技術が導入されれば、へき地にいる患者を都市にいる医師が診断・施術することも夢ではなくなるのです。

しかし、遠隔医療やオンライン診断には回線性能の問題が立ちはだかっていました。4Gですと、通信の遅延や画像のフリーズなどによりオンライン診断の質に疑問が残ります。会話にタイムラグが発生してしまうようでは、医師も患者もコミュニケーションが成立しているか不安に感じますし、映像の解像度も低いため診断の正確性にも不安が残ります。

遅延のない5Gが普及すれば、遠隔医療の質がグッと上がると期待されます。医師と患者のコミュニケーションがスムーズになるのはもちろん、お互いの顔がはっきり見えるため医師に対する信頼感の向上にもつながるでしょう。大容量データを高速で送信できるため、医師が高画質の映像で患部を確認できるようになり、診断も正確になります。

さらに、医師と患者のコミュニケーションだけでなく医師と医師のコミュニケーションを活性化する効果も考えられます。しばしばへき地にいる医師は専門外の患者も総合的に診断することを求められますが、5Gを用いた通信システムで医師同士が容易につながれれば、専門医からアドバイスを受けることもできます。

結果として、病院の少ないへき地でも大都市と変わらないクオリティの医療を受けられ、地域ごとの医療格差の改善につながることが期待されます。オンライン診断や手術を提供するためのルール整備は不可欠ですが、5Gは医療現場の深刻な課題を解決するポテンシャルを秘めているのです。

参考:日本外科学会「オンライン手術(遠隔手術)について」

工場のリアルタイム監視でオペレーションの最適化を実現

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工場や製造業にとっても、5Gは注目すべき技術です。2010年代に入って、ITによって省力化と品質向上を両立させることを目指す「スマートファクトリー」と呼ばれる概念が登場しましたが、5Gはこの概念を実現するために欠かせないインフラであると考えられるためです。

スマートファクトリーは、工場内にある危機やセンサーなどをインターネットで連携させ、これらから得られたデータを基に生産や経営全体を最適化することを目指す概念です。IoT・ビッグデータ・AI・ロボットを活用するだけでなく、これらをネットワークで結びつけることが必須となります。そのため、高性能の通信回線である5Gが求められるのです。

生産工程をリアルタイムで監視するためには、超低遅延の5Gが欠かせません。また建設・土木や医療と同じように、高性能ロボットを遠隔操作できればオペレーターを各工場に満遍なく配置する必要がなくなり、人材活用の効率が高まりますし、新入社員の技術研修もやりやすくなります。VRを活用した技術研修も、5Gによる高画質映像によって質を高めることができるでしょう。

工場が通信回線を活用して各工程を最適化する「スマートファクトリー」の実現のためには、5Gが欠かせません。5Gの導入が日本のものづくりを変えるきっかけになることが期待されます。

参考:総務省「5Gの利活用分野の考え方」P.36~38

遠方とのやり取りが増え電子署名・電子契約が不可欠に

5G(第5世代移動通信システム)で変わる働き方① ビジネスパーソンを通勤・移動の負担から解放する?」で解説しましたように、新たなワークスタイルとしてテレワークが急速に広まっています。また、遠隔操作や遠隔医療が一般的になると、同僚や顧客、パートナー、ベンダーが遠方にいることも当たり前になってきます。

遠方にいる相手とビジネスで関わる頻度が増えると、紙で印刷して郵送するという従来型の契約書のやり取りは非効率的になってしまいます。そこで求められるのが、電子的に契約書をやり取りし、安全に保管するためのサービスです。

ドキュサインの電子署名は、まさにこうしたニーズに応えたサービスです。パソコンやスマートフォンなどさまざまなデバイスから、署名や捺印の必要な書類にアクセスできます。署名・捺印済の書類は、誰がいつ署名・捺印したかという記録まで含めて、クラウド上で安全に保管されます。そのため、契約書の内容を確認するためにわざわざオフィスまで行ってファイルを探す必要もなくなります。

5Gの普及が進むことで、遠隔地をつなぐさまざまな新ビジネスが誕生するでしょう。そして、ビジネスにはより一層の俊敏性が求められ、契約手続きの遅れが機会損失につながってしまうことも考えられます。こうしたことから、遠隔ビジネスの時代には電子契約がスタンダードになっていくことが予想されます。

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まとめ

今回は建設・土木、医療、製造業についてお話しましたが、それ以外の業界・職種においても5Gの高性能ネットワークを導入することで革新的な変化が生まれる可能性があります。

ご自身の職場や業界でどのような変化が起こりうるか、予測と準備をすることが今後のビジネスの成功に繋がっていくのかもしれません。

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