人事部の課題に応えるHRテックとその動向

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昨今のデジタルトランスフォーメーション(DX)の波は、どの業種にも職種にも例外なく影響を及ぼし、人事部自身も改革しなければならないという現実に直面しています。

近年、人事部門は給与・労働管理における事務的な役割だけに留まることなく、企業内での戦略的な部門として地位を確立しています。HRテックの概念はまさにこの文脈にあります。

今日のビジネスの課題は膨大です。常に求められる高い競争力や生産性、技術の進歩、絶え間ない革新。このような課題やニーズに応え、新しい価値を創造できない企業は、生き残ることが難しくなっているのです。また、従業員を能力を育てることができず、モチベーションさえもうまく高められていないという課題もあります。

このような課題を踏まえ、新しいテクノロジーの力を借り、ビジネス戦略に沿った効率的かつ創造的な人事部門に変えていく必要があります。

それでは、HRテックがこのような課題と理想とのギャップをどのように埋めているのか見ていきましょう。最後まで読んでみていただけると、何かヒントがつかめるかもしれません。

 

ブラジルが人事にかかわる課題の(ネガティブな)世界チャンピオンのタイトルを持っていることをご存知ですか? 2010年から2014年だけで、この国の離職率は82%増加し、世界平均の2倍以上になりました。この問題は、労働者を雇うコストも地球上で最も高いということを示します。

企業が大量に雇用し、人材のコストが高い現状では、最高の人材を獲得して保持できる組織は市場で優位に立つ傾向があります。これは、ビジネスおよび経営界のリサーチャーが一致した結論です。

そして、このこと自身が人事部が戦略的にならなければならない理由でもあります。したがって、あらゆる「人材」があらゆるビジネスの成功の中心にあります。

HRテックとは何ですか?

HRテックは、近年、人材の管理をより効率的に、的確に、そして結果的に「強化」したいというニーズの中で採用されています。

フィンテックがブロックチェーンなどのテクノロジーを使用して金融業の新境地を開拓したサービスであったように、HRテックは人事業務、つまり人材の管理に新しい価値を提供することに特化したサービスやソリューションであり、ビッグデータ、IoT、コグニティブコンピューティングに基づいています。

優秀な人材の採用やトレーニング、指導、モチベーションの向上や、公正な評価を行う方法、目標を達成させるためのインセンティブの提供、他部署とのコラボレーションを促す方法などの課題に対し、ただ直感だけに基づいて行うのは無謀です。 例えばソーシャルネットワークで採用したい候補者の正確なプロファイルを洗い出すデータマイニングツールがあるのに、なぜあえて闇雲に募集し続けるのでしょうか。

分析ソリューションが多様な評価システムを適用し、複数のソースからのデータをクロスチェックし、さらにロボットを使ってインタビューする場合、1対1の対面面接、グループダイナミクステスト、他の採用プロセスに数週間を費やす必要はないのかもしれません。

また、電子署名を使用して採用プロセスに関与する人(候補者側、採用する側双方)の署名や承認をオンラインで得ることができれば、今まで数週間かかっていた採用および入社手続きのプロセスを一気に短縮することができます。

人事部門にイノベーションをもたらす目的とは?

多くの経営者は、オペレーショナルな考え方から脱却し、創造的で戦略的な方向に向かわざるを得ない変化をまだ完全には理解していません。しかし、企業が持つことができる宝(人材の能力)を最大限活用するという重要な役割を理解しないと、先見の明のある競合他社に勝ち目はないのです。

考えてみてください。貴社の人事部門は毎月、新入社員へのメール、給与源泉徴収の調整、タイムカードの管理、給与計算、給与の支払い、従業員が提出した明細書の提出にどれくらいの時間を費やしていますか?

これらの作業をオートメーション化するシステムや電子署名(契約、合意にかかわるプロセスの電子化)で処理できる事務作業を、実際に手を動かして行う必要はないのです。

HRテックは業界にどのような影響を与えていますか?

例えば、VR/AR(仮想/拡張現実)のトレーニングを行うことができるシナリオを想像してください。これにより、従業員が現場に出たことがない場合でも実践的な知識を得ることができるかもしれません。

または、さらに一歩進んで、「People Analytics(人材分析)」と呼ばれるシステムが、スキルテストやリアルタイムのパフォーマンス評価を通じて、各従業員の担当業務と能力とのスキルギャップを特定できると想像してください。このようなシステムは、従業員一人ひとりに合った、トレーニングプログラムの自動作成のベースとなり得るのかもしれません。

また、すでに各従業員が日々感じている気持ちを理解するシステムも活用が進んでおり、離職しそうな社員を特定し、離職を防ぐためのインセンティブを提供する仕組みも存在するのです。

そして、社員やアルバイトの雇用契約、産前産後・育児休暇の申請、在宅勤務および休日出勤や残業の許可書などありとあらゆる契約および承認にかかわる文書を電子署名で行うことのより、人事部全体のペーパーレス化が進み、より効率的に業務を遂行することができるようになります。事務作業を削減した結果、より戦略的な業務に時間をかけることができるのです。

ビッグデータやデータマイニング活用による採用なども含め、HRテックの時代はすでに始まっています。貴社はこれらすべての革新に対応できていますか?

業務効率を図るためのソリューションを探している方、最新の合意・契約プロセスの採用を検討されている方、また電子署名の活用方法について知りたい方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

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本記事はDocuSign Brazilが2019年6月4日に公開したブログ記事「Como criar uma assinatura? Entenda a validade legal, rubricas e mais!」の抄訳です。

筆者
吉井 飛鳥
シニア・デジタル・マーケティング・マネージャー
公開