2020年10月、電子帳簿保存法の改正で何が変わるのか?

キャビネットにある紙の書類を探すアジア人女性

(2020年10月29日更新)

2020年10月、1998年に施行された電子帳簿保存法が大きく変わります。今まで「データの改ざん防止の為に受信側が3日以内に認定タイムスタンプを付与しなければならない。」等、企業には少々ハードルが高いルールが設定されていましたが、この電子帳簿保存法を遵守して社内の文書の電子化を行ってきた企業はどの程度あるでしょうか?

以下、今回の改正のポイントおよび電子帳簿保存法の概要を解説します。

”(1)電子帳簿等保存制度の見直し:バックオフィスの効率化による企業等の生産性向上を図る観点から、電子的に受け取った請求書等をデータのまま保存する場合の要件について、ユーザーが自由にデータを改変できないシステム等を利用している場合には、タイムスタンプの付与を不要とするなど、選択肢を拡大します。”

電子帳簿等保存制度の見直しによる変更点

引用:財務省|「令和2年度税制改正」(令和2年3月発行)

従来、電子帳簿保存法の要件を満たすには以下の方法がありました(電子帳簿保存法施行規則8条1項)。

  1. データの受領後遅滞なく認定タイムスタンプを付与
  2. 改ざん防止等のための事務処理規定を作成し運用(今までドキュサインのお客様はこちらでの対応がメイン)

今後は上記1、2に加え

  1. ユーザー(受領者)が自由にデータを改変できないシステム(サービス)等を利用(今後ドキュサインのお客様はこちらで対応可能
  2. 発行者側で認定タイムスタンプを付与

でも対応できる形になります。

では 3. のユーザー(受領者)が自由にデータを改変できないシステム(サービス)等を利用については、ドキュサインではどのように担保されているのでしょうか?

ドキュサインのクラウドプラットフォームでは、契約完了後の電子文書を顧客独自の暗号鍵で暗号化し、ハッシュデータの比較などでデータの整合性を維持しています。他の顧客はもちろんドキュサインさえも操作できない複数の暗号鍵は、システムで厳密に管理され、顧客の電子文書がドキュサインの運用者または第三者による不正アクセスも防止しています。このような仕組みで、ドキュサインはクラウド上での電子文書(電子契約書)の非改ざん性を保証しています。

また、電子データの保存要件はどのようになっているのでしょうか。以下、国税庁の電子帳簿保存法Q&A(一問一答)の内容を記載します。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存等を行う場合の要件の概要

引用:電子帳簿保存法一問一答 問9

  1. 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け

ドキュサインから情報提供可能です。最終的にはお客様の運用マニュアル等の整備が必要になります。

  1. 見読可能装置の備付け等

ドキュサインで締結・保存された書類は WEBGUI を介してディスプレイの画面及びプリンタ出力により確認可能です。

  1. 検索機能の確保

ドキュサインでは外部ストレージと連携したソリューションで対応が可能です(運用方法としては Box や SharePoint に対して契約・締結した PDF とメタデータ、検索プロパティに契約日や金額を入力します。)

その他にオプションの Retrieve を使用し入力した契約日、金額、エンベロープID一覧をCSV化し検索する事が可能です。

  1. 次のいずれかの措置を行う

データの訂正を行った場合にその記載が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用。ドキュサインのシステムで対応が可能です。

ドキュサインのシステムを活用して電子帳簿保存法を対応するためには、弊社システムの利用と合わせて検索機能の確保が必要になります。詳しくは、弊社営業担当までお問い合わせください。

以上、電子帳簿保存法について解説しましたが、今までタイムスタンプ付与が大前提であったものが、ユーザー側が自由に改変できない(弊社のようなサービス)システムの利用が可能になったという見直しは、今後電子署名を検討する上で安心してシステムを検討できる後ろ盾ができたのではないでしょうか。

2022年1月施行予定の改正電子帳簿保存法のポイントを解説 →

 

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