DocuSign 2023 リリース1の発表

ビジネスシーンにおいて、合意・契約は毎日のように成立しています。新しく入社する社員との雇用契約も、顧客と締結する販売契約も、買い手と売り手を仲介する不動産売買契約も、合意・契約は事業を維持し、成長させていくうえで中核となる存在です。そのため、契約ワークフローをデジタル化する必要性は高まり続けています。取引先やパートナー、従業員の多くは、修正や検索が困難な紙ベース、または静的な PDF の文書を望んでいません。自動化され、わかりやすく直感的な契約体験が求められているのです。だからこそドキュサインは、契約・合意文書を構造化されたデータに変換して、よりスマートなものにすることに注力しています。対話型のフォーム入力を可能にする「Webフォーム」は、その第一歩です。

また、従業員がシームレスに文書を作成し、管理、実行できるようにすることも重要です。そこで私たちは、条件付きロジックに基づいて動的に契約・合意文書を作成し、AI を活用してすばやく本人確認を行い、文書を社内の記録システムと連携させるといった一連の作業を、よりシンプルなものにします。これにより、業務の円滑化を図り、契約・合意に含まれるデータを最大限活用できるようになります。

DocuSign 2023 リリース1 には、業種や職種、企業規模を問わず、あらゆる組織における合意・契約ワークフローをよりスマートに、より簡単に、そしてより信頼性の高いものにするための製品機能が含まれています。

時間を制約し、顧客に歓迎され、ビジネスの成長に貢献する新機能をご紹介します。

DocuSign eSignature の新しい機能および連携

ドキュサインの電子署名(製品名:DocuSign eSignature)を使えば、ビジネスをよりスピーディーに、そしてシンプルなものにし、コスト効率を高めることができます。私たちは、市場で最も革新的な電子署名テクノロジーを提供することに力を注いでおり、今回のリリースに含まれる DocuSign eSignature の新機能は、皆さまに優れたデジタル体験を提供し、業務効率化や、セキュリティおよび信頼性の強化に貢献するものだと確信しています。

優れたデジタル体験を提供

今回のリリースには契約書等の文書を作成する方向けの新機能が含まており、データを取得するためにフォームを送信したり、DocuSign eSignature でパーソナライズされた文書を作成する際の体験をより快適なものにします。

  • WebフォームWebフォームを使用すると、対話型の入力フォームを使ってデータを取得し、そのデータを基に契約・合意文書を動的に作成できます。条件付きロジックを定義することで、入力された回答に基づいた内容のみを表示したり、あらかじめ入力されたデータで文書をカスタマイズしたりできます。Webフォームはノーコードのシンプルなソリューションなので、すばやく実装でき、IT部門に頼ることなく各部署が必要とするフォームを簡単に構築・維持することができます。動的なフォームフィールドから収集されたすべてのデータは、エクスポート、分析、他の記録システムとの連携が可能です。2023年4月中に Enterprise Pro および Business Pro プランで提供を開始します。
  • 文書生成機能:個々の案件に対応した文書を DocuSign eSignature 内で生成できます。すべての情報が動的に挿入されるため、文書の体裁を整えることができます。また、条件付きロジックに応じてコンテンツの表示/非表示を制御するルールを定義できるので、1つのテンプレートで複数の案件に対応できます。これにより、テンプレートの作成・管理にかかる時間や労力を省くことが可能です。ダイレクトアカウントのアドオンとして、4月中の提供開始を予定しています。

オペレーションの効率化

ドキュサインは、ライフサイエンス・ヘルスケアのような規制のある業界において、お客様のニーズに対応した製品を提供できるよう努めています。

  • EHR(電子健康記録)との相互運用性:HL7 FHIR 規格に基づく EHR の相互運用性により、DocuSign eSignature は Infor 社の Cloverleaf を介して Epic や Cerner といった米国で認証されている EHR システムにシームレスに接続することができます。これにより、DocuSign eSignature で収集した患者向けの文書を EHR の患者記録に自動アップロードできます。また、指定された EHR イベントに基づいて患者にフォームが自動送信されるため、記入済みのフォームを手動で送信・回覧したり、EHR にアップロードする必要はありません。本機能は、プロフェッショナルサービスを契約している米国内のお客様が利用可能です。

セキュリティと信頼性の強化

私たちの最優先事項のひとつは、安全でコンプライアンスに基づいたデジタル契約ワークフローを可能にすることです。以下、今回のリリースに含まれる、契約・合意文書のセキュリティと信頼性を高める2つの製品アップデートを紹介します。

  • ID Verification プレミアQES(Qualified Electronic Signature、適格電子署名)に準拠した本人確認を DocuSign eSignature 内で直接行うことで、対面での本人確認と同等レベルのAIに対応したオンライン本人確認が可能になります。多くの場合、数分で完了します。高度な生体認証、自撮り写真の比較、非同期エージェント・レビューにより、ビデオ通話や対面での手続きが不要になります。日本での提供開始時期は未定です。
  • 複数公証人グループ(Multiple Notary Groups):複数の署名者が、別々のタイミングで同じ契約書の公証を行うことができます。今回の機能強化により、最大で10名の公証人が、同じ文書に非同期的かつ安全に署名・公証できるようになります(米国のみ)。

DocuSign CLM の新しい機能および連携

契約ライフサイクル管理の革新的な機能を活用すれば、DXのどの段階にいる組織でも、契約プロセスの各ステップをつなぎ、自動化することができます。

社内ワークフローの迅速化

社内ワークフローを加速させるために設計された DocuSign CLM の新機能をご紹介します。

  • DocuSign CLM Essentials Conditional Logic(条件付きロジック):条件付きロジックを使用して、数回のクリックで DocuSign CLM Essentials 内のテンプレートをカスタマイズできます。管理者は文書テンプレートに条件付きルールを追加し、カスタム基準に基づいて契約書のどの部分を表示/非表示にするか、または記入を求めるかを制御できます。これにより、個々の契約書のカスタマイズにかかる時間が短縮され、テンプレートの柔軟性が増し、契約書全体への一貫したコンプライアンスが実現します(DocuSign CLM Essentials の日本での提供開始時期は未定)
  • Edit for DocuSign CLM Enhancement:各企業で利用している編集アプリケーションで契約書を変更した際、その変更内容を DocuSign CLM に同期させることができます。これにより、契約書レビューにかかる時間の短縮と、可視性の維持を支援します。これは編集機能のリニューアルとなり、CLM および Salesforce のユーザーに最新の認証エクスペリエンスを提供し、シームレスなアップデートでメンテナンスを簡素化します(日本での提供開始時期は未定)

DocuSign 2023 リリース 1 に関する詳しい情報は、 リリースノートをご覧いただくか、弊社営業担当までお問い合わせください。

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※本記事はドキュサイン本社が2023年4月6日(現地時間)に公開した「Announcing the DocuSign 2023 Release 1」の抄訳となり、一部日本向けに加筆修正しています。

筆者
Will Spendlove
VP, Product & Partner Marketing
公開