環境保全活動とは?その意義や企業の取組事例を紹介

並木通り

最近、ニュースなどで「SDGs」や「サステナビリティ」という言葉を耳にする機会が増えていますが、こうした背景には世界規模での環境に対する意識の変化があります。地球にある資源は有限であり、これまで通りの大量生産・大量消費・大量廃棄のシステムを維持していくことは難しいと考えられています。今の私たちに求められていることは「持続可能な世界の実現」であり、それは個人単位ではもちろんのこと、企業単位でも取り組むべき重要な課題です。

そこで今回は、サステナビリティ(持続可能性)の観点から、企業が環境保全活動を行う意義やメリットについて考えていきます。また、実際に環境保全に取り組む企業の事例も紹介します。

SDGsとCSRの違いとは

環境保全活動とも関係の深い「SDGs」や「CSR」。それぞれ何を意味しており、どのような違いがあるのでしょうか。

SDGs(持続可能な開発目標)

近年、国際社会全体で「持続可能な社会の実現」が1つのキーワードになっています。持続可能な社会とは、社会・経済・環境の調和がとれた状態を指します。

持続可能な社会の実現のために掲げられた目標がいわゆるSDGs(Sustainable Development Goals)で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。SDGsには、「貧困をなくそう」「ジェンダー平等を実現しよう」「働きがいも経済成長も」など計17の目標があり、その目標に対して169のターゲットが設定されています。

ターゲットとは、目標達成のために具体的に行うべきことを示しています。例えば、「気候変動に具体的な対策を」という目標には「気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。」というターゲットがあり、年間温室効果ガス総排出量などが指標となっています。

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CSR(企業の社会的責任)

CSRとは「Corporate Social Responsibility」の頭文字を取った言葉であり、日本語では「企業の社会的責任」と訳されています。CSRは、企業に関わりを持つ人々や環境などを考慮して意思決定を行うこと、及びそのような考えのもと行う社会貢献活動を指します。ここでいう「企業に関わりを持つ人」とは、サービスや製品を利用する消費者、企業で働く従業員、株主、投資家などが該当します。

CSRの活動例としては、以下のようなものがあります。

  • 植林などの環境保全活動に取り組む
  • コンプライアンス遵守を目指して社内規定を改善する
  • 障がい者や高齢者などの雇用拡大を目指して募集要項の条件を改め、門戸を広げる

「CSR活動=ボランティアなどの慈善活動」と思われがちですが、顧客に安心して自社のサービスや製品を利用してもらったり、従業員や株主の満足度をあげるための取り組みもCSR活動の一部となります。

今回のテーマである「環境保全活動」はCSR活動のひとつであり、SDGsには「基本変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」といった環境保全活動に関連する目標があります。企業が環境保全活動に取り組む意義には、「社会的な責任を果たすこと」「持続可能な社会を実現させること」の2つの側面があります。つまり、環境保全活動を行うことで社会的な責任(CSR)を果たし、SDGs達成を目指すことができる、と言えるでしょう。

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企業が環境保全活動を行うメリット

前述の通り、これまでのような大量生産・大量消費・大量廃棄のシステムを今後も維持していくことは困難であると考えらています。企業が環境保全活動に取り組むことは社会に良い影響を与え、持続可能な社会の実現に近づけることできます。

それでは、具体的に企業が環境保全活動を行うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット1:会社や製品の印象アップにつながる

環境保全活動などの社会貢献活動を行なっている企業は、事業以外でも高く評価されます。また、最近では企業の環境に対する取り組みや環境にやさしい製品かどうかを重視する消費者も増えています。環境に配慮した運営を行うことで、企業ブランドや製品のイメージ向上につながります。

メリット2:広告宣伝につながる

世界中で環境に対する意識が高まっていることもあり、環境保全活動について取り上げるメディアが増えています。メディアに自社の取り組みが紹介されれば、PR効果が期待できます。また、ブログやソーシャルメディア等の自社メディアから、自社の取り組みを発信することも有効です。

メリット3:技術革新や新製品開発につながる

環境に配慮した製品を追及することで、今までにない新たな視点で製品開発が行えます。その結果として、技術革新や画期的な製品が生まれることも十分考えられます。また、環境保全活動を通して、さまざまな企業と接点を持てるようになり、新たなビジネスの創出につながる可能性もあります。

企業の環境保全活動の例

一言に環境保全活動といってもその内容はさまざまで、企業によってアプローチの仕方は異なります。ここでは、企業が取り組む環境保全活動の実例としてMicrosoft、スターバックス、Amazon、そしてドキュサインの活動を紹介します。

Microsoftの取り組み

Microsoft社は1975年にビル・ゲイツらが立ち上げたソフトウェアの開発・販売を行う世界有数の企業です。同社は環境保全活動にも熱心に取り組んでおり、アメリカのESG(環境・社会・企業統治)評価機関NGOであるJust Capitalから「もっとも環境にやさしい企業」と評されています。Microsoftが行う環境への取り組みの1つに「AI for Earth」という活動があります。こちらの活動では、環境課題に取り組む団体にMicrosoftのクラウドツールやAIツールを活用できるようサポートしたり、助成金で支援したりしています。

スターバックスの取り組み

スターバックスはアメリカ・シアトルに本拠地を置くコーヒーショップです。約90の国・地域に店舗を構えており、北海道から沖縄まで、日本各地にも店舗を展開しています。同社では、2030年までに二酸化炭素の排出量と埋め立てゴミの量を50%削減する目標を掲げ、リソース・ポジティブ(地球に還元する量が消費する量を上回った状態)の実現を目指しています。また、飲料提供後に残るコーヒーの豆かす・ミルクパックをたい肥として再資源化、環境負荷軽減のために植物由来の商品を提供、そのほかにも農業分野への投資などにも熱心に取り組んでいます。

Amazonの取り組み

世界最大のECモールを運営するAmazonも環境保全に向けた取り組みを行っています。2019年にはGlobal Optimismとともに「The Climate Pledge」と題した誓約を行い、その中でさまざまな達成目標を掲げています。以下がその一例となります。

  • 2025年までにAmazonのすべての事業における再生可能エネルギーの電力比率を100%にする
  • 2030年までにAmazonの配送で生じる炭素を50%削減させる(シップメント・ゼロ)
  • 持続可能を目指す技術やサービスに20億ドルの投資を実施

ドキュサインの取り組み

弊社ドキュサインにとっても、環境保全に向けた取り組みは重要な活動の一環です。2019年には、霊長類学者であり、国連の平和大使にも任命されているジェーン・グドール博士とともに「持続可能な未来の創造」を信念に掲げ、DocuSign for Forests を立ち上げました。

これまでの活動実績としては、森林保護に取り組む非営利団体への寄付やプロボノ(公共善のための)活動への支援、植林をはじめとした従業員によるボランティア活動があります。また、主力製品である DocuSign eSignature(ドキュサインの電子署名)を通して、森林保護や地球温暖化、紙や紙を作るために必要な資源の節約など、環境保全に寄与することの重要性を発信し続けています。

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電子署名の導入は環境保全の第一歩

環境問題への意識が高まる昨今、企業に対しても積極的に環境保全に取り組むことが求められています。しかし、自社で一からはじめることは決して簡単なことではありません。

自社の理念やビジョン、ミッションについて改めて考え、それらを実現するために有効な外部のサービスや製品、ツールを活用することもひとつの手段です。例えば、契約書や申込書、稟議書など紙の文書をデジタル化する電子署名サービスは、環境保護の取り組みにおける最初の一歩として、簡単かつ低コストで導入することができます。これまで紙で行なっていた契約業務を全てオンライン上で完結できるため、紙の使用量、さらには紙を生産する際に用いられる木材の量を削減することができ、森林保護につながります。また、紙を使用しないことで、紙の移動(輸送)も不要になります。輸送には自動車や船、飛行機などが使われ、その過程でCO2が発生します。つまり、電子署名でペーパーレスかを実現することは、結果的にCO2の削減につばがります。

ドキュサインの電子署名は世界180カ国100万社以上で採用されえとり、2003年の設立以来、お客様とともに200億枚以上の紙を節約してきました。また、サステナビリティの取り組みへの意識を高めるために、製品に組み込まれている環境影響計算機能を利用して、環境保全への寄与度を可視化することができます。

株式会社高田屋様は、ドキュサインの電子署名を活用し、SDGsの13番目の目標『気候変動に具体的な対策を』を目指しています。同社の導入事例(全文)は以下リンクよりご覧ください。

導入事例をみる →

 

参考:

Contributeur DocuSign
筆者
Docusign
公開