合意・契約プロセスのデジタル化で得られる5つのメリット

書類の山から契約書をなかなか探せなかったり、延々と印刷・製本、スキャンを繰り返したり、押印のために出社したり・・・そんな経験はありませんか。

このような日々の業務で感じる煩わしさから解放し、より良い働き方を実現、ひいてはビジネスを成長させるためのカギとなるのが『合意・契約プロセスのデジタル化』です。

人材採用から調達、顧客との契約まで、合意・契約はビジネスの根幹をなしていますが、一般的に非効率なプロセスが多く残っていると言われています。そのため、文書の作成や署名・捺印、管理の方法を見直すことには大きなメリットがあります。

デジタルまたはクラウドベースのツールで契約・合意文書を管理すれば、業務効率化を図り、組織の成長を加速し、ユーザーに柔軟で利便性の高い体験を提供することができます。そこで今回は、合意・契約プロセスのデジタル化で得られる5つのメリットを紹介します。

1. コラボレーションの向上

電子署名ソリューションや契約管理システムのようなデジタルツールを使うことで、ビジネスの俊敏性や柔軟性を向上することができます。場所を問わず利用できるので、分散型ワークをサポートするだけでなく、不測の事態が発生した際のビジネスの継続性という面でも大きな意味を持ちます。

しかし、このようなデジタルツールを使っていても、合意・契約ワークフローには多くの手作業や複雑さが残っていることがしばしばあります。もし、手作業や対面での手続きが残っているとしたら、デジタルツールを導入したそもそもの目的が達成されたとは言えないでしょう。

契約書や同意書、申込書などの文書と、付随するプロセスがすべてオンラインで管理されていれば、同じ時間帯、同じオフィス、同じ国にいない人とも効率よく業務を進めることができます。また、すでに導入している別のツールやアプリケーションと連携することで、文書管理にまつわるボトルネックを解消しながら、より多くのシーンで電子署名ソリューションや契約管理システムを活用することができます。

2. 文書管理と追跡の一元化

デジタル化された合意・契約ワークフローでは、文書の作成から署名・捺印、管理まで、一連のプロセスにおけるすべてのアクションが記録されます。具体的には、編集、レビュー、コメント、署名・捺印、保管などです。

では、紙とデジタルの文書が混在している場合はどうでしょうか。文書のバージョン管理や追跡は非常に困難であり、複数の関係者がいるとなおさらです。

すべてがデジタル化されていれば、適切なバージョン管理が可能となります。つまり、過去のバージョンも、当該文書に対して行われたアクションも、作成日まで遡って確認することができます。これにより、当事者間での混乱や見解の食い違いがなくなり、プロセス全体の可視性が向上し、より迅速に最終的な合意に至ることができます。

3. 合意・契約データの活用

署名・捺印が完了した文書をデジタル化すれば、ファイリングキャビネットに保管する必要はありません。クラウドなど、すべての文書をオンライン上で一元管理することで、検索が容易になり、文書内の重要な情報や潜在的なリスク、ビジネスチャンスを迅速に見つけることができます。

契約・合意文書にはさまざまなデータが含まれており、それらのデータを分析することで、ビジネス上の意思決定に役立てることができます。さらに、高度なAI(人工知能)ツールは、作業負担を軽減し、重要な条件や条項の検索、フィルタリング、分析をサポートします。

マニュアルでの分析は、ミスが起きやすく、膨大な時間がかかります。しかし、契約書のデジタル化の真の目的は、「ヒト」を「デジタル」に置き換えることではありません。私たちの働き方をより良いものにする、つまりビジネスを成長させるための業務により多くの時間を割けるようにすることです。

4. 顧客や取引先、従業員により良い体験を提供

仕事とプライベートの境界線が曖昧になるにつれ、その両方を支えるテクノロジーの境目も曖昧になってきています。買い物やサービスの申込みなど、あらゆることがオンラインで行えるようになっているように、ビジネスシーンにおいても、利便性の高いオンラインでのサービスが期待されています。

例えば、契約についてはどうでしょうか。契約書を印刷して、署名・押印して、スキャンして、郵送して・・・手続きが面倒で複雑であればあるほど、顧客や取引先、さらには自社の優秀な人材を失ってしまう可能性があります。しかし、プロセス全体をデジタル化することで、契約書の回覧や署名・捺印、契約締結を効率化することができ、シンプルかつスムーズに進めることができます。これにより、顧客や取引先、従業員の満足度があがり、企業に対するイメージも向上するでしょう。

5. よりサステナブルな事業運営

昨今、企業や組織・団体は、あらゆる業務や活動に対してサステナビリティ(持続可能性)を考慮することが求められています。従業員や顧客、投資家は、自身の環境に対する価値観に合ったビジネスに関わりたいと考えるようになってきています。つまり、「サステナビリティ」と「収益性」はどちらかを選ぶものではなく、両立する必要があるのです。

紙を使った対面式のワークフローから、リモート対応も可能なクラウド型のワークフローへ移行すれば、資源ごみや無駄なプロセスを減らす(あるいは完全になくす)ことができます。合意・契約プロセスのデジタル化は、地球資源の保全や通勤・出張など移動により排出される温室効果ガスの排出量削減、またどこからでも業務が進めらるようになるため、組織全体の生産性向上にもつながります。

合意・契約プロセスのデジタル化は、業務効率化を図り、組織の成長を加速し、顧客や取引先、従業員に利便性と柔軟性を提供するための最善な方法のひとつです。

 

※本記事は「A Better Way to Manage Agreements」の抄訳になり、日本向けに一部加筆修正しています。 

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